国立大学法人 豊橋技術科学大学機械工学系 Toyohashi University
of Technology

系長からのメッセージ

機械工学系へようこそ

系長 中村祐二

機械工学系 系長 中村 祐二

機械工学は,自動車・重工業,材料・素材・化学,電子・電気・電力,ロボット・メカトロニクス・輸送機器などの多くの産業分野において不可欠な学問分野です。では,食品や化学などの産業分野は,機械工学の学問分野とは関係がないのでしょうか?答えは「No」です。食品や化学系企業でも製品を作っている設備や機械は,機械工学の知識がなければ開発も設計も作製もできません。では,知識さえあればよいのでしょうか?これも「No」です。知識があってもそれを使えなければ役立ちません。機械工学課程・専攻では,基礎知識の習得と,それを幅広い業界で使えるような訓練を提供しています。その結果,機械工学課程・専攻を卒業・修了した先輩方は,極めて多種多様な産業分野の企業などに就職して,活躍しています。

機械工学は,機械力学・材料力学・熱力学・流体力学の4力学を基本としていますが,多種多様な工業製品を製造しようとするとこれらだけでは足りません。いろいろな製造物は,金属,セラミックス,ポリマーなどの種々の材料を削ったり,成形したり,機械的に継ぎ合わせたりして作られます。ロボットや産業機器などを動作させるためには,アクチュエータやそのシステムを制御する技術が必要です。さらに,効率良く工場を稼働させ,製品を製造するためには,各種工程の最適化も必要です。一言に「ものづくり」といっても,多くの知識とそれらを活用することが求められます。

これらの機械工学に関わる技術と科学をカバーするために,本学機械工学系は,平成22年の学内再編において,力学,エネルギー,生産加工,システム技術を基盤に,構造・機能材料,ナノテクノロジー,ロボット,生体医療福祉,環境,技術マネージメント等,ものづくりへと繋ぐ機械工学分野の教育・研究活動の遂行を目的に,「機械・システムデザイン」,「材料・生産加工」,「システム制御・ロボット」,「環境・エネルギー」からなる4つの研究分野および教育コースを設置しました。「機械・システムデザイン」コースには,機能材料・構造システム,機械ダイナミクス,マイクロ・ナノ機械システム,ハイスループットマイクロ・ナノ工学の4つの研究室を配置し,それぞれ,新素材の設計,システムの動的設計,MEMSデバイス設計開発,細胞治療を指向したバイオMEMS研究などに関する研究活動を展開しています。「材料・生産加工」コースには,材料機能制御,高強度マテリアル開発・評価,材料保証の3つの研究室を配置し,それぞれ,高品位光電変換素子の設計・創成および形成加工法,ナノ組織鉄鋼材料の創成,非鉄金属材料の高強度化・特性評価,3D/4D変形・破壊評価技術などに関する研究活動を展開しています。「システム制御・ロボット」コースには,システム工学,計測システム,ロボティクス・メカトロニクス,知能材料ロボティクスの4つの研究室を配置し,それぞれ,産業機械・ロボットシステムの最適設計・最適制御,ロボット/センシング/IoT/AIを活用したスマート農業技術,ロボット・メカトロニクス設計開発,スマート材料を利用したアクチュエータ・センサ技術などに関する研究活動を展開しており,人間・ロボット共生リサーチセンターをコアとする機動的な活動を展開しています。「環境・エネルギー」コースには,自然エネルギー変換科学,省エネルギー工学,環境熱流体工学,環境エネルギー変換工学の4つの研究室を配置し,それぞれ,乱流現象の解明・制御,省エネルギー・省資源技術開発,クリーンで高効率なエネルギー変換・輸送を実現する新しい電熱機器や流体機器の研究開発,高効率燃焼技術や防災技術の開発などに関する研究活動を展開しており,流体,伝熱,混相流,燃焼などの分野における学術・技術の核心を4研究室が連携してカバーしています。

機械工学課程のカリキュラムはJABEE(Japan Accreditation Board for Engineering Education)の認定を受けています。また,機械工学専攻では,グローバル人材の育成を目指した「豊橋技術科学大学―シュトゥットガルト大学とのダブルディグリー・プログラム」を実施しています。

本学の機械工学課程・専攻での学びによって,学生のみなさんが,基礎的・専門的知識と高度な技術を修得し,それらを研究・開発・設計・生産技術へと活用できる能力へと発展させ,創造的で指導的能力を備えた技術者・研究者として社会の持続的発展に貢献することを期待しています。

機械工学系 系長 中村 祐二